陥入爪



疾患の解説  
陥入爪とは主に足母趾の爪甲(いわゆる爪のこと)側縁が皮膚に食い込んで疼痛と炎症を引き起こす疾患です。古来、多くの外科系医師が「巻き爪」と呼んでいました。形成外科医の間で「陥入爪」という新語が定着するにつれて、巻き爪という用語は爪甲が高度に丸まって管状になる病変名へと変化しました。しかし、今でも一般医家の間では巻き爪と陥入爪の混同・誤用が多く行われています。  爪甲自身または爪母(爪の根元、ここから爪ができる)のどちらに原因があるのか、それぞれを後押しする事実があります。ハイヒールの普及が陥入爪の発生率を高めたことや、根気よく保存的療法を加えると根治に近い成績を上げ得る事実は前者を、また陥入爪甲を抜爪しても、次に生えてくるのは同じ病的爪甲である事実は後者を示唆しています。

治療法
(1)保存的療法  
食い込んだ爪甲縁の直下にコットン、ガーゼ、ビニールチューブなどを挿入して爪甲縁を皮膚に食い込ませないようにする忍耐を要する治療法です。患者さんと密着したケアのできる開業医に向いた治療法かもしれません。同じ主旨で、形状記憶合金を用いて爪甲縁の平坦化に成功した報告もあります。
(
2)手術的療法  
爪甲の発生が爪母一元説に大きく傾いた現在、爪母のみを操作することですべてが解決するはずであり、事実成功を収めています。爪母の両端を切除または破壊して、爪幅を狭くする方法です。切開式爪母部分切除、フェノールによる爪母上皮の化学熱傷凝固、さらには電気メスやレーザーによる焼灼なども成功裏に行われています。しかし、微細な爪母の取り残しがあると、脇に小さな爪が生えたり、真珠腫のような堅い腫瘍になったりします。 当院では、超弾性ワイヤーによる保存的療法と手術療法を薦めています。